期末従業者数について(法人市民税の均等割)

従業員達 法人

法人市民税の均等割を計算する際、期末従業者数を把握する必要があります。
アルバイト等を雇用している場合、そのまま人数をカウントするのではなく、特別な計算方法で人数をカウントすることが認められています。
その計算方法について見ていきたいと思います。

期末従業者数の計算方法

【前提条件】
役員:2人、社員:14人、アルバイト等:40人の場合
※役員の2人は役員報酬の支払いあり

上記前提条件のようなアルバイト等を多く雇用している小売業などについては、そのまま人数を計算してしまうと2人 + 14人 + 40人 = 56人となり、50人超で均等割の金額を多く納付することになります。

均等割の表
(参考)相模原市の均等割の表になります

上記表を確認してみると資本金等の額が1,000万円以下の法人であれば50人以下で5万円、50人超で12万円となっています。差額で7万円です。
均等割の支払いで7万円は大きい差ですよね。

それでは、アルバイト等の人数を違う方法で計算してみましょう。
相模原市のホームページにアルバイト等が従業者数に含まれる旨と計算方法について下記の通り記載されています。

均等割の基準となる区内の事務所等の従業者数には、原則としてパートタイマー、アルバイト、日雇者(以下アルバイト等といいます。)の人数も含まれますが、下記の方法で計算した人数と取り扱っても差し支えありません。
(計算方法)
算定期間の末日を含む直前1月のアルバイト等の総勤務時間数を170で割った数
※1人に満たない端数を生じた場合はこれを1人とします。

計算方法に記載されている言葉を言い換えると、3月決算の場合には「アルバイト等の3月中の総勤務時間を170で割った数」となります。
具体的に見ていきましょう。

3月勤務明細
(参考)アルバイト等の3月勤務分明細

上記表よりアルバイト等40人分の3月中の総勤務時間の合計額は1,100 + 1,100 = 2,200時間となります。
総勤務時間を170で割ることになるので、計算式は下記の通りです。


2,200時間 ÷ 170 = 12.94・・・ ∴13人(1人未満の端数は切り上げ)

アルバイト等の人数を13人で計算することが出来るため、2人(役員) + 14人(社員) + 13人(アルバイト等) = 29人となり、50人以下として均等割を計算することが出来ます。

実務上は最低賃金を利用する場合も(参考)

アルバイト等の人数が多く、1人1人の勤務時間を算定することが難しい場合には、最低賃金を利用して算定するケースもあります。(最低賃金の金額は神奈川県の場合とします。)

3月勤務明細
(参考)アルバイト等の3月勤務分明細

上記表よりアルバイト等40人分の3月中の総支給額の合計は1,248,000 + 1,248,000 = 2,496,000円となります。
総支給額を最低賃金1,040円で割ることにより、総勤務時間を算定します。


2,496,000円(総支給額)÷ 1,040円(最低賃金)= 2,400時間(総勤務時間)

最低賃金
(参考)最低賃金表

2,400時間(総勤務時間)÷ 170 = 14.11・・・ ∴15人(アルバイト等の人数)
※1人未満の端数は切り上げ

(注)原則は1人1人の勤務時間を算定し、合計した総勤務時間を170で割る方法ですので、こちらの方法は簡便法という位置付けで、参考程度にして頂ければ幸いです。こちらの方法を推奨しているわけではございません。

まとめ

今回は法人市民税の均等割を計算する際、必要となる期末従業者数について記載してみました。
アルバイト等の人数が多く、50人超となる場合にはこちらの方法をご検討ください。
何かの参考になれば幸いです。