ふるさと納税(寄附金控除)について

故郷の写真 個人事業主

年末近くになるとテレビCMなどで見かける機会も多くなってきているため、ふるさと納税という言葉も馴染みのあるものになってきているかなと思います。
しかし、意外とこのふるさと納税を利用していない方が結構いる気がしています。その原因として、手続きが面倒なのではないかという声をお聞きする機会が多いです。人それぞれ感じ方はあると思いますが、おそらく思っているより面倒ではないのかなと個人的には思っています。
そこで、ふるさと納税の仕組みや寄附の手順などを以下で見ていきたいと思います。

ふるさと納税とは

ふるさと納税の概要

自分が応援したい自治体や返礼品に魅力を感じる自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税と住民税から全額が控除される制度になります。
(注)所得税と住民税から控除される金額には上限があります。上限を超えて寄附した場合、控除されない金額が発生しますので、ご注意ください。

控除される額の計算方法

例:50,000円を自治体に寄附(ふるさと納税)した場合
50,000円(寄附額)- 2,000円 = 48,000円(所得税と住民税から控除される額)

50,000円のうち、48,000円は所得税と住民税から控除されるため、支出としては2,000円のみとなります。

なぜふるさと納税はお得な制度だと言われるのか

私の場合は「ふるさとチョイス」というサイトを利用しておりますが、前年の例でいきますと「350ml缶×24本のビール1箱」が返礼品として送られてきました。こちらの商品をスーパーで購入すると安くても税込みで4,000円程になるため、2,000円の支出で4,000円のビールを貰えたことになります。

ちなみにこれ以外にもお肉やお米なども返礼品として送られてきているため、2,000円の支出でおそらく8,000円~10,000円以上の商品を貰えたことになります。これがふるさと納税はお得な制度だと言われている理由になります。

税金が少なくなるわけではありませんが、2,000円の支出でそれ以上の価値のある返礼品が貰えるため、かなりお得な制度になっています。正直、この制度を使わない手はないかなと思っています。

寄附の手順

①控除上限額のシミュレーションをする
 ふるさと納税のサイトには控除上限額のシミュレーションが用意されています。
 自分がいくらまでふるさと納税することが出来るのかをこちらで確認してみましょう。

②ふるさと納税のサイトで返礼品などを選んで寄附する
 私が使っている「ふるさとチョイス」の場合は、会員情報のところに自分の情報を登録し、クレジットカード
 情報を事前に入力しておけば、手順に従って進んでいくだけで簡単に寄附することが可能です。

③自治体から寄附金受領証明書が届くまで待つ
 上記②で寄附が完了すると自治体から寄附金受領証明書が送られてきます。こちらの証明書は確定申告の際に
 使用するため、大切に保管する必要があります。

④確定申告で寄附金控除を適用して申告する

寄附金の受領証等

税務申告ソフト(達人)で入力した受領証データ

達人というシステムの場合、上記のように寄附年月日・寄付先・住民税区分・金額を入力することで下記の通り申告書に自動転記されます。

所得控除の寄附金控除欄
確定申告書Bの第一表 寄附金控除欄
寄附金控除に関する事項・都道府県、市区町村への寄附欄

確定申告書Bの第二表 寄附金控除に関する事項・都道府県、市区町村への寄附欄

「ふるさとチョイス」では、マイページから寄附金控除に関する証明書の発行が可能となっており、こちらでダウンロードしたデータをe-Taxにアップロードすることにより、上記③の寄附金受領証明書の保管などが省略出来るようです。詳しくはサイトをご覧ください。

ワンストップ特例制度とは

給与所得のみで医療費控除などがあり、確定申告が必要な場合には、一緒に寄附金控除(ふるさと納税分)を適用して申告すれば良いですが、医療費控除などがなく、年末調整で全て完了している場合、わざわざ確定申告をするというのはかなりの手間になるかと思います。
こういった方のためにワンストップ特例制度というものがあります。


ワンストップ特例制度とは、申請書を各自治体に提出することにより、確定申告を行うことなく、寄附金の全額(寄附金が50,000円の場合、2,000円を控除した48,000円)を住民税から控除してくれる制度になります。
(注)ワンストップ特例制度を利用するためには、1年間(1/1~12/31まで)の寄付先が5自治体以内である必要があります。寄付先が6自治体以上になってしまった場合には、確定申告が必要になります。

自治体から送られてくる申請書は下記の通りです。

申告特例申請書
                       寄附金税額控除に係る申告特例申請書
申告特例申請書(拡大図)

住所・電話番号・氏名・生年月日は基本的に印字されて送られてくるため、個人番号のみの記入で完了します。

申告特例申請書(拡大図)

1.当団体に対する寄附に関する事項の「寄附年月日・寄附金額」は印字されているため、何も記入する必要はありません。
2.申告の特例の適用に関する事項については、自治体によってチェックマークが印字されているケース・印字されていないケースがあるため、チェックマークがついていない場合には「レ」を記入します。

以上で申請書の記入は終了となります。次に、添付書類を貼り付ける台紙にマイナンバーカードをお持ちの方は表面と裏面のコピーを貼付して、申請書と一緒に同封の返信用封筒に入れて送ります。
(注)自治体によっては返信用封筒が同封されていない場合がありますので、その際はご自身で返信用封筒および切手を用意する必要があります。

まとめ

今回はふるさと納税について記載してみました。個人的には、サイトでどんな返礼品があるのか探すのも楽しいですし、実際に寄附をすれば魅力的な返礼品が貰えるので、お得な制度だと思っています。
まだ一度もふるさと納税をしたことがない人は、一度試してみても良いかもしれません。